2021/05/26

今日もていねいに。21

みなさんこんにちは。
松浦です。

何もすることがないときは、
言葉と一緒に、
散歩のような、旅のようなお出かけをします。

たとえば、1冊の本と、1杯のコーヒー。
もしくは、1冊の手帳と、1枚のクッキーとか。

本を開けば、ふわっと扉が開いて、どこかへ旅の出発です。
言葉に驚いたり、わくわくしたり、夢中になったり。
手帳を開けば、思いや考え、忘れたくないことや、
心から湧いてくる気持ちを、言葉にして書き留めます。

違いは読むことと書くこと。

午後に静かな場所で、すわり心地のいい椅子をみつけて、
いい短編をひとつ、ゆっくりと読んだり、
ふと思いつく気持ちを自由に綴ってみたり、
いろんなことを考えたり、感じたり、思ったりと、まさに旅。

そんなふうに一人の時間を持つことができたら、
その日はいつもと違った一日になるのです。
乾いたこころが潤うのと同時に、
ありふれたいつもの景色が物語の1篇のように思えてくる。

そうそう、忘れていました。
いつだって旅の主人公は自分なのです。

大切なことですね。
読んだり書いたりすることって。
なんて豊かなことだろうと思うのです。

それではまた。
今日もていねいに。

松浦弥太郎

エッセイスト、クリエイティブディレクター

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