みなさん、こんにちは。
いかがお過ごしでしょうか。
プレゼントというのは、
いつだって嬉しいですね。
思い返して一番うれしかったのは、
小学一年性の時、母からもらった子犬でした。
両親は共働きでした。
学校が終わって家に帰ると、
家はいつもシーンとしていました。
けれども、子犬がやってきてからは、
僕が帰ると、
子犬は手がつけられないほどに喜んでくれて、
僕のそばから離れません。
誰もいないさみしさは吹き飛んで、
毎日家に帰るのが楽しみになりました。
子犬にはジョンという名をつけました。
ジョンは捨てられていた子犬でした。
目がくりくりしてかわいい雑種です。
当たり前ですが、ジョンは言葉を話せません。
だからこそ、僕はいつもジョンの気持ちを思い、
ジョンが何を考えて、何が嬉しくて、何が悲しいのか、
そういうことをジョンの目や仕草で感じ取って、
相手を思いやるということを学んだのです。
今思うと、他人を愛するという心が、
はじめて芽生えたのでした。
ジョンは僕の家族であり親友でした。
たくさん遊んで、たくさんさわり合って、
いろんな場所へ行って、いろんな思い出を作りました。
ジョンは僕が19歳になるまで長生きしました。
ジョンの大好物はマンゴーでした。
次に好きなのは梨で、果物好きの犬でした。
昨日、台湾の友人から、
採れたてのマンゴーが届きました。
いい香りが部屋に拡がります。
早速、切って食べました。
気のせいかもしれませんが、
「ワン!」とジョンの声が聞こえました。
そうそう、おいしいおやつは、
なんでも半分コにしていたことを思い出しました。
マンゴーを半分お皿に分けました。
僕はジョンが大好きでした。
もう一度ジョンを抱きしめたい。
それではまた。
今日もていねいに。
松浦弥太郎