2021/10/20

今日もていねいに。40

みなさま、こんにちは。
お元気でしょうか。
すっかり秋ですね。
体調を崩さぬようお気をつけください。

生きているといろいろな悩みやつらいことがあります。
不安や迷いはいつになってもなくなりません。
ときには、いらいらしたり、怒りもあるでしょう。

先日、友人がいいことを話してくれました。
いらいらしたり、怒りが湧いたとき、
「ああ、自分は今、いらいらしてるなあ」とか、
「今、怒っているなあ」と、自分を客観的に見つめてみると、
すうっと、いらいらや怒りはどこかに行ってしまうそうです。
友人は「もう、怒らないことにしたんです」と言って、
そのために自分はこんなふうにしていると教えてくれたのです。
いらいらや怒りは自分をどんどん苦しめるだけ。
ありがたい話しを聞きました。感謝です。

「因幡の源左」という本を思い出しました。
主人公の源左は、日々の暮らしの中でさまざまな教えや学びを得て、
妙好人として知られたお百姓さんです。

いろいろな悩みや苦しみはたくさんあるけれど、
それは自分ひとりで背負って生きるのではなく、
かみさまに任せてしまう、助けてもらえばいい。
そうすれば何も背負うことなく、心配はなくなると、
ある日、源左は気づきました。

けれども、大切なのは、
その悩みや苦しみをかみさまにまかせるには、
助けてもらう価値のある人間でなければなりません。
人に尽くし、人を大事にし、いつも先を見据えて働くこと。
自責と感謝の心を忘れないこと。

背負っているものを下ろして、
お任せできるような人になれるといいですね。
いらいらや怒りもさようなら。
いつかなれるかな。

それではまた。
今日もていねいに。

松浦弥太郎

松浦弥太郎

エッセイスト、クリエイティブディレクター

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