みなさん、こんにちは。
お正月休みに母と話していて、
はっとすることがありました。
テレビから流れる数々のニュースを観ながら、
「こわいね……」「どうなるんだろう?」と、
僕がふと言うと、
「でも、こわい気持ちや不安な気持ちがあったから、
人間は生き延びてきたんだと思うの……」と、
母がポツリと言いました。
日々抱くこわい気持ちや不安な気持ちは、
ある種のストレスと思っていて、
できれば避けたいし、無くしたいと思っていた僕は、
母が何気なくつぶやいた言葉が、
あまりにポジティブだったので驚いたのです。
こわいとか、不安とかは、
弱いことであって、心で思っても、
人に言わないほうがいいという観念があったからです。
どうしようもなくこわい気持ち、
どうしようというような不安な気持ち、
これらとしっかりと向き合って、
なんとか克服しようという気持ち、
逃げずに工夫をする、
そのとき、
勇気が生まれたのではないか。
勇気という発明によって、
僕ら人間は生き延びてきたのです。きっと。
「こわがりの人って長生きするのよ。
あなたは子どもの頃からこわがりだったから大丈夫」。
母はこう言って笑いました。
強がることはない。
こわがりでいい。
なんだかとても勇気が湧いてきました。
勇気。
それではまた。
今日もていねいに。
松浦弥太郎