2023/03/16

【まとめ③】サクッとわかる! 話題のインボイスを大解説

全3回にわたってご説明する「インボイス制度のまとめ」も、今回で最終回!

前回の第2回まとめでは、インボイス制度が始まることにより起こりうるトラブルを中心に、「3.インボイス開始で 取引解消・値下げ交渉される場合もある」「4.副業が会社にバレる? 個人情報がもれるおそれも?」についてお伝えしました。

今回は、そのトラブルに対する対策を中心とした、「5.インボイス制度。フリーランス・免税事業者の対策法は3つ」「6.インボイス無視していいのはどんな人?」についてご紹介いたします。

5.インボイス制度。フリーランス・免税事業者の対策法は3つ

インボイス制度で特に大きな影響を受けるおそれがあるのが免税事業者です。

 免税事業者の範囲は広く、課税売上高1,000 万円以下のフリーランス、一人親方だけでなく、副業を行っているサラリーマンも含まれます。つまり、事業所得や雑所得を得ている人すべてを含むことになります。2013 年の国税庁の資料によれば、その数は488 万社(者)を超えています。

 免税事業者は今まで消費税なんて気にする必要がありませんでした。しかし、インボイス制度が始まると、免税事業者のままでいると取引上不利となったり、インボイスを発行するために課税事業者になって消費税の納税義務が生じたりすることになります。

 免税事業者の対応としては、3 通りが考えられます。

1.「無視してしまう」

顧客がすべて一般消費者である場合は、インボイス制度で取引上、不利になることはありません。よって、思い切って無視することも可能です。

2.インボイス発行事業者になるために「課税事業者(本則課税)になる」

インボイス発行事業者となれば、消費税の納税が発生するかわりに、取引上不利になることはありません。

3.インボイス発行事業者になるために「課税事業者(簡易課税を選択)になる」

2つ目の本則課税を選択する場合と比較して、節税になる可能性があります。

6.インボイス無視していいのはどんな人?

消費税を無視して免税事業者のままでいれば、当然、消費税の負担はありません。ただしインボイスを発行できないため、取引上、不利になるおそれがあります。

 ただ、なかにはインボイス登録しなくても、全く影響を受けない人がいます。それはどんな人なのでしょうか。

まず一つ目は、顧客のほとんどが消費者の場合です。消費者は事業者ではないため、インボイスを必要としません。たとえばほぼすべて顧客が消費者の商店や習い事教室、学習塾、理美容室などです。

 また顧客が免税事業者の場合も、消費税の申告を行わないため、無視しても影響はないでしょう。さらに顧客が課税事業者で簡易課税選択事業者の場合には、経費の消費税を考慮する必要がないため、インボイスは必要ありません。

 そして、取引相手から見て、あなたが「唯一無二の存在」の場合には、インボイス制度を無視できるでしょう。取引相手は、あなたにしか仕事お願いできません。つまり消費税の負担が増えても、取引を打ち切ることはないからです。具体的には、アーティストやアスリートなどが該当します。

さて、これまで3回に分けて「インボイス制度」について解説しました。2023年10月1日から始まるインボイス制度。知らないから損した!とならないように備えておきましょう。

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『世界一わかりやすい! インボイス』 永井圭介 著                       ※1540円(税込)、144ページ、A5判、ISBN:978-4-471-21275-9

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