2022/02/02

今日もていねいに。53

みなさん、こんにちは
不安な日々が続いていますが、
いかがお過ごしでしょうか。
どうかお大事に至りませんようお祈りします。

うつくしきもの満つ。

詩人の高村光太郎が詠んだ言葉です。
はじめてこの詩に触れた日、
うつくしきものとは一体なんだろう、
と思いました。

花や空、景色、丹念に作られたもの、
いわゆる芸術といわれるもの、
そういう、ひと目ではっとするもの、
なにものと同じでないもの、
たったひとつのもの。など。

人はみな、
うつくしいものを求めます。
一番うつくしいものを欲しがります。
それはきっと、うつくしいものは、
人をいやしてくれるからです。
うつくしいものは
自分を救ってくれるからです。

うつくしいものを手に入れるために、
人は一生懸命になり、
それはそれは大層な苦労もいとわないもの。

しかし、
この世で一番うつくしいもの。
みなさんはなんだとお思いですか。
あなたが今まで知った、
いちばんうつくしいものはなんですか。

この世で一番うつくしいもの。
それは人の笑顔。
人の笑顔ほどうつくしいものはありません。

うつくしきものはそこにある。
笑顔のうつくしさを忘れていませんか。

うつくしきもの満つ。
なんてすばらしい言葉なのでしょう。

それではまた。
今日もていねいに。

松浦弥太郎

松浦弥太郎

エッセイスト、クリエイティブディレクター

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