
みなさん、こんにちは。
蒸し暑いまいにちですね。
どうぞおからだを大事に、
無理せずお過ごしください。
小さい頃のはなしです。
僕は母とやくそくをするのが好きでした。
たとえば、靴をきれいにそろえるとか、
ドアを静かにしめるとか、
ものは両手で持つとか、
人より先に座らないとか、
そういう普段の生活における、
母との約束を守ると、とてもほめられました。
「約束は守るよりも、忘れないこと」。
守れないときもあるけれど、
忘れなければいい、というのが母の考えでした。
「約束ができる人になりなさい」。
これもよく母に言われたことでした。
子どものときからおとなになった今でも、
約束ができる人とは、どういう人なのか、
そういう人とはどういう人なのか、
どうしたらなれるのかを、ずっと考えています。
ひとつわかったのは、
約束とは自分からするものだということです。
たとえば、仕事において、
果たすべき責任や成果、目標などは、
自分から約束ごととして考える。
いちいち約束しますとは言いません。
約束ができる人になる。
これは僕にとって人生の大きなテーマです。
そして、毎日のように、
あれやこれや、このことあのことなど、
約束したことをうっかり忘れていないか、
その約束のためにきちんとすすめているかと、
しずかに自問するのです。
とにかく、
小さなことでも約束があること。
それだけでなんとなくうれしいですね。
「約束は守るよりも、忘れないこと」。
「守れなくても忘れていなければいいわ」。
いつまでもやさしい母の言葉をかみしめます。


さて。今日は花を買いました。
二種類のバラです。
蒸し暑い日でも、家の中に花があると、
少し涼しい気持ちになりますね。
みなさんへおすそわけします。

最後の写真は、
母が自分で作る、わが家の「吹寄せ」。
お気に入りのおせんべいやかりんとうを、
箱の中で混ぜ合わせて作ります。
老人の楽しい手遊びのようです。
それではまた。
今日もていねいに。
松浦弥太郎
